有料老人ホームに入居した後、一番長い時間を過ごすのが専用居室です。この専用居室の広さや形状、設備等によっては入居後の生活に大きな影響を与える部分なので慎重に決める必要があります。
- 部屋の広さ
- まず、住宅型有料老人ホームのように自立者向けのお部屋は、一般的にトイレやお風呂、洗面台などと(中にはキッチンも)いった設備がある1DKや1LDKタイプの比較的広い専用居室タイプのものが多く、介護付有料老人ホームなどの要介護者向けのお部屋は、危険防止等の観点から居室内の設備はトイレと洗面のみに限られたワンルームタイプの比較的狭い居室タイプのものが多いようです。
自宅からどれだけの荷物を運び込むのか?また運び込んだり新たに取り揃える家具の配置なども含めて充分なスペースがあるか検討しましょう。 - 部屋の形状
- 高齢者向けの施設ですので、極端に使い勝手の悪い居室はあまりないでしょうが、実際に家具等を配置した時の通路の確保状況や、収納などの使い勝手等もあらかじめ確認・想定しておく必要があります。
- 部屋の設備
- トイレ(シャワー付き、便座保温機能など)、ベッド(介護用電動ベッド)、収納、手摺など現在自立の方であっても将来を見据えて検討しましょう。また、単に手摺がある・ないといったことでなく、実際の移動も考えて検討しないと、自立の方向けの広い居室などでは移動の際に手摺が必要になっても、手摺の設置されている壁面からトイレなどの移動目的先が離れている場合など不便な場合もあります。
また、何があって何が無く、そして何を新たに準備しなければならないのか?(たとえば、電話線は各居室に来ているが電話機は各入居者が設置など、冷蔵庫やベッド、冷暖房装置、カーテンなど)も確認しておく必要があります。 - 日当たりや景色など
- 日当たりの悪い暗い居室では気分が滅入ってしまいます。また、窓からの眺めはどうか?や気分転換等のための壁紙の張り替え・模様替え・居室内の改修が出来るのかどうかも確認しておくと良いでしょう。
- 部屋の位置
- 有料老人ホームの建物内の専用居室の位置についてもよく検討する必要があります。階数、食堂、(専用居室にトイレが無いタイプのものは)トイレなど、日常的に利用する共用施設までの距離および移動経路なども1つのチェック項目です。
- 共有スペースのまわりに専用居室が配置されているケース
比較的多くの施設で採用されているこの配置は、各居室から食堂等への距離が短いため比較的入居者が共有スペースに集まりやすく、活気ある施設が多いようです。 - 共有スペースを各階の端に配置されているケース
正反対に位置する居室など、共有スペースに移動するのが不便な居室もあります。人との関わりが苦手という方には良いかも知れません。 - 共有スペースと居住スペースの階を分けることで明確に分離配置されているケース
自立者向けの有料老人ホームに比較的多く見られるこのタイプは、居住スペースと共有スペースを明確に分けることでプライバシーも守られるという利点もあります。共有スペースへの移動はエレベーターを使用しますので、軽度の要介護状態であれば移動に大きな負担はありません。
- 共有スペースのまわりに専用居室が配置されているケース