せっかく有料老人ホームに入居しても、
有料老人ホームが閉鎖・倒産してしまっては人生設計が台無しになってしまいます。社会福祉法人や行政といった公益法人や公的機関が運営する特別養護老人ホームでは閉鎖や倒産のリスクが少ないのですが、有料老人ホームを運営しているのは民間の株式会社がほとんどですから、閉鎖や倒産、運営主の変更といったリスクも考えておかなければなりません。
※ただ、一概に運営主が変わることでケアサービス等の質が悪くなるということではありません。大手が買収する等した施設などでは逆にサービス内容等が良くなった、という例もあります。
有料老人ホームの経営状態を確認する方法を以下にあげます。
- 財務諸表
- 年間の収支がわかる損益計算書や貸借対照表などの財務諸表を見てその会社の経営状態がどうか?と判断できる人はほとんどいないかと思います。
当ご案内ネットやそういったことに詳しい親族や知人に相談すると良いでしょう。しかし、逆に財務諸表が読める、といってもその肝心の財務諸表に虚偽の事実が記されていることもあり、あくまでも判断の1つ程度の認識にとどめておくべきです。
一応、その財務諸表が信頼出来るものとして見た場合、どこに注意して見るか?ですが、大半の有料老人ホーム運営会社は株式会社ですから「利益」を上げなくてはなりません。適切な利益が出ているからこそ、入居者へのサービスも提供でき、 新しい設備や改善などが加えられます。
ただ、「利益」が無いから問題がある施設、といって誤解されると困りますが、 有料老人ホームの運営には多額の固定費と維持費用が必要です。したがって、単年度赤字というだけで その有料老人ホームを不安視する必要はありません。適切な設備投資と今後の計画が作られていたら、大きく問題にすることもないと思います。
また、有料老人ホームに万が一のことが起こった場合の対応策も聞いておくとよいでしょう(保険制度、提携企業など)。あまり明確な説明がない場合は、少し注意しておいたほうがいいのかもしれません。いずれにせよ、きちんと説明を受けることが大切でしょう。
また、バブル時期の負債(バブル時期に購入した土地建物等)を抱えていないかどうかはチエックポイントの1つです。 - 入居率(空室率)
- 建てられたばかりの有料老人ホームでもないのに空室が目立つ有料老人ホームは注意が必要です。評判が悪く入居者が集まらない有料老人ホームは赤字経営を続けている可能性があります。有料老人ホームの開設から1年が経過していても入居率が7割未満であれば経営的な不安など何らかの問題があるといってもよいでしょう。
- 介護スタッフ
- 介護スタッフの人数が少ないというのは、入居者を犠牲にしても人件費コストを極力押さえようという経営で、有料老人ホームの本質が介護であることから相反します。そうすると退去者が出たり、入居者が集まらない事態になってしまうのは自明の理です。
ホーム側はそういったことにはなりたくない、と考えるのが普通ですから、介護スタッフの人数が少ないということは、増員したいのだけれど経営上赤字でできないと考えてもいいと思われます。