ある程度有料老人ホームに関する知識や入居希望条件が出そろってきたら次段階として、対象となる有料老人ホームのパンフレットや重要事項説明書などを取り寄せるようになります。ここでは、表示が義務付けられている項目(=重要な項目)についてその内容を説明します。
有料老人ホームから提供される書類の種類とその内容
- パンフレット
- パンフレットは各施設が独自に営業広告目的で作成しているものであり、法律等によって記載内容が決められているものではありません。
したがって、有料老人ホームの写真(内観・外観)や規模、費用、居室設備、共用設備等が自由に記載されています。
なお、この「パンフレット」は広告にあたるため、都道府県に設置届けを提出してからでないと一定の表現が出来ない、また、介護付またはケア付きといった表現も特定施設入居者生活介護の事業者指定を受けるまで表記出来ません。なお、公正取引委員会や社団法人有料老人ホーム協会では有料老人ホームに関する広告について広告表示ガイドラインを設けるなど、有料老人ホームの広告内容適正化に努めています。 - 重要事項説明書
- 重要事項説明書は、(細かい記載内容や書式については各都道府県ごとに決められているため、その都道府県によって若干の相違があるかと思いますが)有料老人ホームや設置事業者についての概要、各種サービス内容、料金、職員体制等について、入居を検討されている方が有料老人ホームの選定にあたって参考にする書面です。
有料老人ホームは、この重要事項説明書を書面にて交付し、契約締結前に口頭で充分な説明を行うことが義務づけられています。 - 介護サービス等の一覧表
- 介護サービス等一覧表とは、介護が必要となった場合に、各入居者毎の要介護状態に応じて提供される介護サービスの内容や費用負担の内容、介護サービスを受ける場所などについてまとめたも書面です。 重要事項説明書にも添付されています。
- 入居契約書
- 入居契約書は、有料老人ホームを利用(入居)するにあたって、入居者・有料老人ホーム双方の権利や義務等の基本的な内容(提供されるサービスの内容、費用の支払い、使用上の注意など)が記されています。今後の有料老人ホームでの生活について非常に重要なものですので、字が細かいから、文章が長いから、言葉の意味が分からないから・・・といったことで充分に理解せずに契約を締結してしまうと、後々のトラブルの原因にもなります。
疑問点があれば有料老人ホームにたずねる、家族や知人に契約書の内容を確認してもらう等、十分納得・理解したうえで契約を交わしましょう。 - 管理規程等
- 管理規程は、入居契約書が概要であるのに対して、その入居契約書に書ききれない詳細部分が記されています。
具体的には、管理費や食費(とった分だけなのか、一律なのか?朝昼夜の料金、特別食の場合の料金等)、有料老人ホームが提供する各種サービス(病院等の付添い介助費用等)料金やその内容・利用方法などについて記されています。 - 介護保険利用者は介護保険の利用についての契約書や運営規程、重要事項説明の書面
- 特定施設(介護付有料老人ホーム)において介護保険を利用する場合、有料老人ホームへの入居契約書とは別に介護保険の利用についての運営規程、重要事項説明の書面を交付し、契約を交わすことが義務づけられています。
したがって、入居時に自立である方は入居時に契約を締結する必要はありませんが、入居した後に要支援・要介護となった場合に備えて入居契約前に内容を確認しておくべきです。 - その他
- 各都道府県自治体毎に交付の義務づけられている書面
例) 東京都消費生活条例による表示~東京都民に対して募集活動を行う際に交付義務 - 有料老人ホーム入居契約追加特約書、保証約款確認書
(社)全国有料老人ホーム協会加盟のホームの中で、終身利用権方式を採用している有料老人ホームが加入を義務づけられている「入居者基金制度」に関する書面です。
この制度は、入居一時金を受領する有料老人ホームが倒産等の不測の事態になった場合に備えて、居住の場の提供及びこれに伴う各種サービス提供債務の不履行があった場合に、この損害賠償の予定額として500万円を入居者に支払うものです。
- 各都道府県自治体毎に交付の義務づけられている書面